微粉炭酸カルシウム

微粉炭酸カルシウムの製造方法

（１）採掘、選鉱

粗砕品サイロに入るまでの採掘、選鉱の工程は、外の石灰石鉱山に共通するものであるが、微粉タンカルはその白さが生命であり、泥抜きスクリーンの設置、水洗、ビッキング等を行い、異鉱物とか泥分の混入を極力避けなければならない。特に薬用とか食品添加物用の場合は純度をより厳しく管理する必要がある。また、色の白さ、色の調子は単に高ければよいのではなく、いかに安定させることがより大切である。石灰石の品位は一つの鉱山でも採掘場所により違いがある。この違いを少なくし平均させるため、原料の段階で混合することが一般的に行われる。

（２）粉　砕

微粉タンカルの粉砕はミクロンミル方式が多い。ミクロンミルとは、同心円上の複数のランナと、同軸上のファンが高速で回転する構造で、原料は吸引される空気の流れに乗りながらランナで粉砕され、粉砕された微粉が空気と共に機外に排出される機械である。この他に立型ミル・ボールミル・振動ミル・ローラミルなどが使用されている。

（３）分　　級

微粉タンカルの分級は、強制渦式風力分級機によって行われる。この構造は、分級室内の中心からプロアなどにより空気を吸引すると同時に、分級室内でプレード等を高速で回転させたり、分級室の外周に固定羽根を付け、空気の流入を分級室の接線方向から入るようにして・強制的に空気の渦を発生させる。

この渦の中に原料粉を供給すると、強制渦による遠心力と、空気が吸引される抗力が粒子に作用する。抗力は半径方向について一定で、遠心力は分級室の外周部で最大になるから、外周部での双方の力のつい合いによって、分級点が決まり分級される。強制渦方式には固定壁式と回転壁式があり、固定壁式ではミクロンセパレータ、回転壁式ではミクロプレックスセパレータがよく使われる。

（４）輸　　送

各機械の連結に、工程と工程の移動に、いろいろな輸送機が使われる。一般的にはベルトコンペヤ、パケットエレベータ、フローコンペヤ、スクリューコンペヤを組み合わせて使われる。また、製品の移動には、空気輸送機がよく用いられる。空気輸送には、高圧式と低圧式があり、その構造上、高圧式はバッチ輸送で遠距離も可、低圧式は圧送式と吸引式とに分かれ連続輸送で近距離向きである。

（５）捕集、集塵

分級機、粉砕機、空気輸送など空気を利用するプロセスには捕集機・集重機が使われる。また、環境衛生、粉塵公害防止にも必ず必要である。集塵機の種類は多種多様であるが、微粉タンカルの場合、濾過布を使用した通称バッグフィルタがよく使用される。