雲母片

雲母（マイカ）の一番の特徴は、その結晶構造に起因するのですが、非常に薄い層状にへき開することです。粉砕した場合にも、厚み方向がへき開し易いために高いアスペクト比（長径／厚み）を持つフレーク状の粉体となります。

主なフレーク状（板状）フィラーには雲母（マイカ）、タルク、ガラスフレークがありますが、雲母（マイカ）は最も薄片となり高アスペクト比が得られるために、非常に魅力のある素材と言えます。その他の特徴として、弾力性、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性に優れていること、誘電率が大きいこと、熱膨張係数が小さいことなどが挙げられます。

項目 物性値

真比重 2.7～3.0　g/cm3

硬度 2.8～3.2　Mohs

弾性率 1.6～2.1×106 　kg/cm2

線膨張係数 厚み方向　15～25×10‐6 　/℃

平面方向　8～9×10‐6 　/℃

比熱 0.21　cal/g・℃

融点 1250　℃

脱水温度 550　℃ (結晶に含まれるOHの脱水温度)

体積抵抗率 1014～1015　Ω・cm

比誘電率 7　(at 50～108 Hz)

誘電損失 2～10×10-4　tanδ(at 50～108 Hz)

耐電圧 25　kV/mm

色調 やや茶色の半透明　(微粉末外観は白色)

屈折率 n1=1.5993/n2=1.5944/n3=1.5612